コラム

NBCラジオおはようコラム 2月15日放送  「造船業の基礎知識」

2017年02月20日

※毎週水曜日8:25から、NBCラジオ「平松誠四郎のおはようラジオ!」内でシンクながさきスタッフが地域・経済に関するコラムをお伝えしています。


長崎で造船と言えば世界トップクラスの技術を持つ三菱重工が一番有名ですが、そのほかにも大島造船所、佐世保重工が県内では大手とされており、2015年3月期の売り上げは、それぞれ1242億円、359億円となっています。
船は大きく客船(クルーズ船、フェリーなど)、貨物船(オイル、ガス、コンテナ、石炭等)に分かれます。日本造船工業会の統計によると、2015年に世界で建造された船は、全部で2,870隻(100総トン以上)あり、そのうち客船は47隻で、隻数ベースで見ると1.6%です。タイプにより船価は様々なため一概には言えませんが、それでも世界の船舶市場規模として、大部分は貨物船が占めているといえます。
船舶の売買にかかる船価は市況の波が激しく、例えばばら積み船は、リーマンショック前には今の価格の2倍程度で取引されていた時期もあります。一般的に、世界の海上荷動き量の伸びは世界のGDPの伸びに比例してきているとされます。世界の経済が発展し、海上荷動きが増え、海運会社の仕事が増えると、造船の需要も高まってきます。
為替も造船所にとっては重大な関心事です。海運市場はドルベースでの採算計算が主流であるため、造船所との取引もドル価格がベースとなり、結果として、円安になると日本の造船所の船は割安感がでて、商売がしやすくなります。
今後は、ロボットやITシステムを組み合わせたIoTの活用が重要になってくると思われます。国土交通省も生産性向上(i-Shipping)を積極的に後押ししており、今後、実際の現場でどのように活用されていくか注目されます。
また、他社との競争に加え、人手不足も顕在化しており、若い世代が造船業界を志すよう、造船業の魅力を伝えていくことが重要になります。

  • 【日時】
  • 2017年02月20日

宮本 賢也

専任研究員

宮本 賢也

みやもと けんや

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