コラム

NBCラジオ経済コラム(7月13日放送)「世界遺産登録とみなとオアシスと」

2018年07月13日

今年6月末、「長崎・天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されました。長崎県では二つ目の世界遺産登録で、県内外12の構成資産が含まれています。早速6月25日には、南島原市で原城跡を中心とする「世界遺産を活かした街づくり」が開催され、ガイド・民泊・食の提供の充実が必要であることが議論されました。長崎市では、大浦天主堂・外海の出津集落・大野集落が登録され、観光推進体制をDMO(Destination Management Organization)を中心に強力に推進されるものと思います。

一方、7月28日、国土交通省「みなとオアシス」に長崎県が登録されることになりました。「みなとオアシス」とは、港が経済活動の拠点としての色合いが濃くなっており、人々が近寄りがたい空間となっていることが多い中で、「みなとづくり」と「街づくり」を連携させるために設けられた制度です。

そこで、世界遺産登録と「みなとオアシス」を連携させた観光振興・街づくりを推進していくことが必要です。例えば、松ケ枝ターミナルは、国際観光船が2017年で年間267隻寄港を記録しており、旧グラバー住宅や大浦天主堂等を巡るツアーを増やすことができます。また、大波止ターミナルは、五島市・新上五島町の世界遺産への海の拠点となり、離島観光の中心施設になり、観光情報提供や、土産物等の物産販売に、さらに注力することができると考えます。このように、世界遺産と「みなとオアシス」を組合わせることにより、地域住民や、民間企業を巻き込むことによる活性化が図れることになります。

世界遺産登録後2-3年は観光客が増加しても、観光施策を打ち出して観光客誘致に取り組まなければ、4年目辺りから観光客数が減少に転じている世界遺産も多くあります。文化財の保存と活用によるリピーター観光客の増加こそが、世界遺産登録後、求められる政策目標ではないでしょうか。

  • 【日時】
  • 2018年07月13日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ


(画像は、有馬キリシタン遺産記念館で、南島原ひまわり観光協会村里事務局長と)

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