コラム

NBCラジオ経済コラム(8月24日放送) 「人口減少時代における高齢者雇用の必要性」

2018年09月10日

日本は世界でも類を見ない急速なスピードで少子高齢化が進んでおり、2060年には国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になると言われています。若者が減り高齢者が増え続けるという時代にあっては、高齢者を支えるべき対象”とするだけではなく“社会を支える戦力”とすることが重要になります。

では、日本における高齢者雇用の現状はどの様になっているのでしょうか。厚生労働省が調査している「高年齢者の雇用状況」の中に「希望者全員65歳以上まで働ける企業の割合」という項目があるのですが、平成29年度は75.6%となっています。

この「希望者全員65歳以上まで働ける企業の割合」は地域差があります。例えば人口減少が進んでいる秋田県や岩手県などは80%を超えており、逆に人口が増え続けている東京は70.9%、また東京に次ぐ大都市である大阪も71.1%と共に全国平均を下回っています。これは、人口減少地域においては、若年層が少ない分、企業が積極的に高齢者の力を借りたいと考える一方で、若者が集まりやすい都市部においては、企業の目が高齢者よりも若者に向きやすいことが要因の1つとなっているのではないかと考えられます。

ただし、ここで注意したいのが、人口減少が進んでいる地域でも、必ずしも「希望者全員65歳以上まで働ける企業の割合」が高いわけではないということです。例えば、平成22年~27年の人口減少率が-3.4%と全国的に見ても人口減少が進んでいる本県は72.0%と全国平均を下回っており、また、同じく人口減少率が高い高知県も71.9%と全国平均を下回っている状況です。

その背景には様々な要因があると考えられます。高齢者よりも若者を採用したいと考える企業が多い可能性や、あるいは高齢者の就業意欲自体が高くない可能性もあります。いずれにせよ、今後、少子高齢化が進むにつれ、若者だけではなく、高齢者の力が必要になる時代が来ると思います。その時に向けて、企業も行政も準備を進めていく必要があるのではないでしょうか。

  • 【日時】
  • 2018年09月10日

尾崎 新

研究員

尾崎 新

おざき あらた

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