コラム

中国経済減速と長崎県経済へのインパクト

2019年02月22日

 長崎はランタン祭りが終わり、中国の経済活動が平常時に戻ります。日本経済・長崎経済は、近年の歴史を見ると、造船・観光の両面で中国の影響を大きく受けてきました。今年は、米中貿易協議の継続が見込まれ、経済成長の鈍化が懸念される中国経済と、長崎への影響を考えていきたいと思います。

 中国経済は、景気鈍化が一段と明確化しています。実質GDP成長率は、2012年の8%水準から、2018年10-12月期には6.4%へと鈍化しています。輸出も2018年12月には、9月から10%減少しました。年末時のアメリカの利上げ見通しに伴う株価が暴落からは回復していますが、成長鈍化が鮮明になったEU向けと、輸入関税の引き上げが予想されるアメリカ向けが輸出スローダウンとなると考えられます。中国の小売り売上高も増加が鈍化しており、特に自動車販売台数は昨年比△13%の減少、スマートフォンの販売台数も、同△16%の減少となっています。これらから、雇用情勢も、雇用過剰感が出ており、悪化に向かっています。また、生産面も減少し、工業用ロボットや工作機械の出荷量も減少しています。

 このような中国景気の鈍化傾向に対し、中国政府は、金融緩和や個人所得税減税等を行い、内需を刺激しています。また、オールドエコノミーである鉄鋼・石炭・船舶から、IT,EV,新素材のニューエコノミーへの転換を図りつつあります。

 中国経済鈍化の影響は、長崎県の輸出・観光の面で影響を及ぼす可能性があります。輸出に関しては、重機械・電子部品・雑貨などの一部に減少傾向が出てくる可能性があります。また、観光については、1ドル=6.7元程度と、人民元安となっていないこと、中国の所得の向上等を背景に、急激に落ち込むことはないと考えられますが、今後急速な景気悪化・人民元安となる場合には、長崎に来る中国人観光客数も減少する可能性があります。

 この点に関して、東京オリンピックを控え、関東圏・関西圏からの長崎への観光客誘致の強化、世界景気に左右されにくい学会やコンベンションの誘致、そのためのDMO体制(観光推進組織)の整備が急がれます。成功例を参考に、景気等に左右されにくい方策を考える必要があります。

  • 【日時】
  • 2019年02月22日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ

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