コラム

NBCラジオ経済コラム(3月29日放送) 「お金の実態から30代・40代を支援する必要性」

2019年03月29日

4月からの就職・転勤等、希望に胸を膨らませている若い方々も多いと思います。この時期、新居を購入したり、賃貸を借りたりする方も多く、「お金の問題」がクローズアップされて来ます。

 貯蓄額は、20代・30代・40代・50代を比べた場合、どの年代の貯蓄が多いでしょうか?総務省統計局の調査では、男女共通して、年代を追うごとに貯蓄が増えていきます。男性では、30代:520万円、40代:746万円、50代:1,514万円です。金額が多いように思われるかも知れませんが、この金額には、銀行等の貯金だけでなく、生命保険・有価証券が含まれています。

 次に有価証券の比率は、どの年代が高いのでしょうか?総じて年代が高くなるほど、有価証券の比率が高くなります。男性が女性より顕著にその傾向がみられ、30代10.3%、40代:10.7%、50代:16.5%です。普通は年齢が高くなるほどリスクを取らないので、有価証券への投資比率は減ると考えられますが、貯金を殖やしながら同時にリスクの高い有価証券にも投資しているのです。これは、低金利下で、将来に備えて利回りを上げるために2割くらいまでの範囲で、有価証券投資を行っていると考えることができます。

 では、負債(住宅・土地購入のおための)について見ると、40代がピークとなっています。20代:975万円、30代:1,451万円、40代:1,737万円、50代:1,367万円。これは、住宅購入が30代から40代にかけて始まることを意味しています。ここで、「おや」と思われた方は鋭い方だと思いますが、貯蓄から負債を引いた「純貯蓄」が、30代、40代でマイナスになっています。子育てもしながら、住宅を取得するため、キャッシュフローも資産・負債状況も厳しくなっていることがわかります。これでは、余裕のある消費ができていないと思われます。

 このことを、今年3月6日に発表された、SMBCコンシューマーファイナンスの「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」を見ると顕著で、消費行動に関し、「無理をせず、買える範囲でよいものを選びたい」が90%、「購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で最安値のものは必ずチェックする」が80%以上を占めています。「身の丈」消費とならざるを得ない現状があるのではないでしょうか?

 このように見てくると、30代・40代の子育て・住宅取得支援策が、国・自治体・企業などで行われることが、活力のある地域を創るうえで重要になるのではないでしょうか。

  • 【日時】
  • 2019年03月29日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ

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