コラム

NBCラジオ経済コラム(10月11日放送) 「長崎観光の将来像~高所得層も来てくれる街を」

2019年10月15日

 10月上旬、観光調査のため、京都・奈良に行きました。京都は、欧米人・中国人等をはじめとした外国人観光客であふれており、河原町界隈も歩きにくい状態でした。渋滞等、「観光公害」という言われる現象が見られ、京都市では、ホテル建設を制限しようかという議論すら起こっていると聞きました。奈良は京都ほどではありませんが、同様に外国人観光客が多く、奈良では初めての外資系ホテル「マリオット」が建設中であるなど、インバウンド観光客の受け皿作りが急速に進んでいます。

 長崎市も、国際文化観光都市を目指して、MICE建設中で、日本人・外国人を問わず、一人当たり客単価を上げることを、DMO(観光推進組織)と一緒に進めています。その一環として、外資系ホテルの誘致もMICE事業者から提案されています。

 観光庁の「訪日外国人観光客消費動向調査」によれば、観光・レジャーを目的に訪日する外国人の1回あたりの消費単価は、北海道が9万円と最も高くて、最下位が奈良県の5千円、長崎県は2.2万円くらいで47都道府県中、34番目です。上位は、北海道・東京都・沖縄県。最下位の奈良県は、文化財発掘等で、長い間、ホテル建設が遅れ、ホテル・旅館の数が少ないことが要因と言われています。

 インバウンド観光客は、旅行に対し、日本人とは異なった関心・ニーズがあります。東京大学大学院鳥海准教授の、人口知能を使ったデータ解析によれば、外国人観光客が訪れる街を選択する際の基準は、「ナイトライフ」、「レストラン」だそうです。ちなみに、日本人の関心事は、「名所旧跡」だそうです。したがって、観光都市間競争になったときに、夜の楽しみ方が多様で、高いレベルの料理が楽しめる三ツ星レストラン等が多い街を選ぶ傾向にあるそうです。また、これ以外にも、外国人にとって日本的な体験ができるかどうかも、滞在のポイントです。こららは、ホテルのコンシェルジュ機能と大きく関係していると考えられます。

 長崎に外資系三ツ星ホテル進出がきっかけとなって、高所得者の外国人が増えると、街に高級レストランが増えて、ミュージカルや管弦楽団によるコンサートが夜開催されるようになっていくかも知れません。街は色んな観光客が来てくれることで、レベルの高い観光地に進化していくのだと思います。

  • 【日時】
  • 2019年10月15日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ

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