コラム

NBCザ・チャージ(12月15日放送)「2021年長崎経済の見通し」

2020年12月16日

2020年の長崎県経済を振り返ると、コロナウイルス感染の影響が世界中で現れて、景気が後退し、2020年度の成長率は、▲5.2%程度となる見込みです。日本も長崎県も、対面型のサービス提供を主流とする小売・サービスは、3-5月に大きく落ち込み、その後少し回復しましたが、いまだにコロナ以前には戻っていません。今回のコロナウイルス感染拡大で分かったことは、観光関連産業など、内外の観光客が来なくなったことで、リーマンショック・SARS・熊本地震の時を上回って、長期にわたる影響を受けています。

来年2021年の経済は、前半はコロナウイルスの流行が残る「ウイズ・コロナ」の状態が続き、3.4%の程度の経済成長となると予測します。経済活動水準がコロナ前に戻るのは、2022年にずれ込むとみておいていいのではないかと思います。特に、個人消費の回復は足踏みし、都市の中心市街地と周辺地域とで業績格差が続き、EC(電子商取引)へのシフトが加速するとみています。

2021年の長崎県経済の課題は二つあると思います。

第一に、「産業構造の再構築」です。コロナウイルス感染拡大で、観光産業の重要性と並んで、脆弱性も経験しました。観光業は、小売り・サービス産業のみならず、農林水産業・製造業に影響と及ぼします。今年、様々な産業で、ネット販売によって、売り上げを大きく伸ばした企業もあり、「デジタル経営が色んな産業を救った」と言われています。これに加え、海洋再生可能エネルギー分野(洋上風力発電など)、先端IT分野(AI/IoT/ロボット/5G)などを成長させていくことにより、地域産業の安定化を図ることにつながると考えます。

第二に、「チャレンジする若者・次世代の支援」です。長崎にも新しい発想で、新しいビジネスにチャレンジしたいと考える経営者が沢山おられます。これらの若い世代に、これからの長崎県を切り開いてもらうため、教育機関も企業も行政も、支援を強化していくことが必要だと思います。

最後に、来年の経済展望をお天気に例えると、「曇りから晴れへ」だと思います。経済はまだまだ巡航軌道に乗ってはいませんが、「Durch Leiden Froude(苦悩から歓喜へ)」となると予測します。皆さん、良いお年をお迎えください。

  • 【日時】
  • 2020年12月16日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ