コラム

NBCザ・チャージ(4月27日放送)「コロナウイルス感染拡大から1年、何が変わったか?」

2021年04月27日

日本で第一次緊急事態宣言が昨年4月5日に出されてから1年が経過しました。4月25日には第三次緊急事態宣言が出されました。この1年間に我々の生活・経済の何が変わったのでしょうか?長崎県で見られた変化を、今日は3点取り上げてみたいと思います。

まず1点目は、製造業が非製造業に比べて経済を安定化させたことです。長崎県内でも小売業・観光業の落ち込みと比べて、製造業の落ち込み幅が昨年対比で最大20%程度と小さく、製造業の中でも電子部品・デバイスなどが半導体・ゲーム・PC需要が拡大して急速に回復しています。

2点目は、雇用の回復に比べて、物価上昇のスピードが速く、県民の生活が必ずしも楽ではないことです。県内の雇用の落ち込みが昨年春以降見られ、有効求人倍率はいったん1を切りましたが、すぐに戻り、雇用者所得も最大10%程度減少しましたが、緩やかに戻りつつあります。一方、消費者物価は昨年秋口位から0.7%程度の低下を見せましたが、ガソリン価格・穀物価格の上昇を主因として、急速に戻ってきています。

3点目は、婚姻件数があまり減少しないなか、子供の出生数が顕著に減少していることです。特に昨年末からの減少が大きく、1年前と比べると、12月782人で、一昨年の870人から△88人、2月643人で昨年の795人から△152人となっています。

4月25日に第三次緊急事態宣言が出され、将来不安が再度高まっている中、今後の長崎県経済については、ワクチン接種が順次進んでいけば、社会不安もなくなってきて、経済は回復していくと思います。しかし、完全にコロナウイルス感染の脅威がなくなった訳ではありません。感染予防の生活習慣を維持しつつ、「withコロナ」の状態が来年春ころまで続くことも考えられます。その中で、キャッシュレス化、オンライン医療、オンライン教育、テレワークなども併用され、デジタル化が引き続き進むと考えられます。また、AIを活用した自動運転車、無人レジ店舗、VRを活用した住宅設計シミュレーション等、様々な商品も実用化に向けて急速に開発が進むと思います。この点で、コロナウイルス感染拡大が、これまでなかなか進まなかった「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」を進展させることになったと、振り返る時が来るでしょう。「コロナが社会を変える」ことになる可能性が高いと思います。

  • 【日時】
  • 2021年04月27日

菊森 淳文

理事長

菊森 淳文

きくもり あつふみ


長崎県の出生数(厚生労働省「人口動態統計速報」)


長崎県の婚姻件数(厚生労働省「人口動態統計速報」)